2010年12月19日日曜日

うねりは海の旋律。

海に漕ぎでていつも感じるのは、凪よりも程よいうねりの心地良さ。外海のしなやかで力強いうねりに抱かれていると、陸(おか)での日常がフェードアウトしていく。浮いている処だけが現実的で、このまま何処までも漕いでいってもいいよなぁ…と云うような意識だけが時間(とき)を支配するのだ。


右も左も、前も後ろも、在るのは同じリズムで揺れる海だけだ。カヤックも身体も同じリズムで揺れるだけ。身体は今在る海をトリップし、魂は過去と未来の時間(とき)にトリップする…旅はずっと続くようでもあるが、ほんの瞬間のようにも感じる。旋律を奏でるように、カヤックは海をすすむ。

2010年11月28日日曜日

サンダルを脱いでリラックスする。

随分以前からあれこれ考え続けている課題のひとつは、快適パドリングの決め手となるフットウェアって…相変わらず試行錯誤中だが、此れひとつでなんてのは難しいかなぁ。
キャンプツーリングの時などは長い時間を履き続けることになるから、窮屈でない、軽い、肌触りが好い、脱ぎやすい履きやすい等と突っ込みどころは山積みな のだが、ナビゲーターが愛用しているのはつま先を保護できてホールド感があるサンダルだ。水を含まない素材であることも大切な条件になる。海水が冷たい季 節は保温性のある専用ソックスを併用しているが不満がひとつ…何れの時も小砂利が挟まるととても不快になるから乗艇する時には、シートに腰を降ろしてから 足を海水に突っ込みジャバジャバしなくてはならない。せめてもの解消法は、芝生のあるキャンプ地でサンダルを脱ぎ捨てリラックスすることか。

2010年11月27日土曜日

大敷(定置網)の水揚…漁師仕事の風にふれる。

ツーリングキャンプの朝、少し歩いて漁港に行く。大敷きに掛かる魚は多種多様…作業も水揚も一蓮托生だ。笑顔がないピリッと張り詰めた空気は昨今の厳しさをもうかがわせる。

ところで、漁師とパドラーの間には深〜い淵が在るのだろうか。海を往来する舟のトラブルのなかに漁船とカヤックのものをたまに聞くが…たぶん大した事故などではないのだろうけれど、心情的に相容れない想いが後を引きそうな雰囲気が漂う。片や生活を抱えて、片や遊びを求めてというイメージは拭えそうもないからだ。何時か、海を舞台に同じ想いの価値観を見いだせたら幸せなことだから…先ずは、今ある海環境に謙虚でありたいとナビゲーターは想いを傾ける。

2010年11月23日火曜日

「観音café」の特別席にようこそ。

珈琲が大好きなギ・パドのナビゲーターは思案する…ツーリング中にも旨い珈琲を飲みたいんだよな…と。そこで、地形図を広げて発想を得る?


リアス式海岸の急峻な山間(やまあい)を見てふと思いついた。

「これだよ…旨い珈琲は旨い水に在り。」

ふくよかな味わいの岩清水で点てたら旨いに違いない。子安観音の傍らを流れる小さい滝の、辺りの空気までも抱き込んだ清冽な水で仕込む珈琲を想像してみてくださいな、果たして…言わずもがなであります。浜から歩いて数十分…期せずして、野点の醍醐味、奥の深さに触れてしまった故、今後「野点処」が増えることは間違いない。

2010年11月21日日曜日

いくら魅力的でも、ちょっと大きいかな…

南日本海の浜は冬になると結構なうねりが寄せるので、北の地やら西の国やら海のなかやらいろいろな所からいろいろなモノが波にのって漂着する。嬉しくない置き土産が殆どだが、たまに素敵な贈り物に会ったりね…
 

こんな存在感がある流木は専用の腰掛けに置いておくとして、思い出を引き出すキーワードになる小さなsouvenirを探してみよう。 美しい蛸船の殻や波と砂に揺られて磨かれた不思議な魅力を放つビーチグラスなどは人気だが、私がほくそ笑んで悦に入っているのは地味ながらも微妙に違った表情を見せてくれる紫ウニの殻だ。見つけた処に腰を下ろし、コロコロと掌で転がして思い出を詰める。小春日和のパドリングに似合う状景なのだ。

2010年11月20日土曜日

立ったまま、風に吹かれて呑むのが旨い。

穏やかな海況に誘われて、ついついロングツーリング…なんて日のアフターパドリングの愉しみは、こんな夕焼けグラデーションのスタンド・バーで呑むのが好い。


七色を映す落陽ワイン。ゆっくり過ごした一日の感動を虹色に彩るための特別な一杯を、ぐいっと飲み干して記憶にとどめよう。濃くて深〜い赤が気分…思い出もワインもフルボディーが宜しかろう。

2010年10月31日日曜日

Navigater Hassanの観天望気。

天気まかせの気楽なパドリングでも、出がけに仕入れた予報に反して急変…行きはよいよい帰りはこわい(大変)なんてことが間々ある。脳天気な私でもそんな状況は御免蒙りたいから、「おいら好天男(はれおとこ)だから…」などと言っている隨に知識を蓄積しなくてはいけない。


島の夜明けを眺めつつ、ギ・パドのナビゲーターHassanが「今日は早く出発して戻ろう…」と呟く。出発して1時間も漕ぐと、成る程プロの予報士の観天望気は好天男の其れとはひと味違うな。途中の浜でひと息入れながら海原を観る。綺麗なスープと美しいサーフと気持ち良さそうな大うねりを越えて帰らねばならないが、彼はこの漁船も観光船も出航しない海の先に在るタケノコ岩の横に現れるとっておきの滑り台を廻ったら面白い、などと考えているだろうな…Hassanとはそういう遊び人でもある。

2010年10月24日日曜日

海トマト、海キュウリは如何…

今夏のような酷暑の海を、のんびりとはいえ島渡り…なんて時には、思った以上の体力ダウンに「フゥー」とため息が出ることもね。


そんな時にはパワーバーよりも、海トマト海キュウリが断然好いのだ。以前にはバナナを持ち歩いていたこともあったが、色々試しているうちに夏には夏野菜がよかろうとなった。しっかり冷やしたトマトやキュウリを取り出したら、綺麗な海水でジャバジャバッと洗い皮のままかぶりつく。水分、糖分、ミネラル、ビタミンたっぷりで身体を冷やす効果もあったり…オールインワン。で、なによりも旨い。

2010年10月17日日曜日

旧くて新しいデリポーターがやってきた。

ギ・パドラーズの眼鏡に適った2台目のトランスポーターがやってきた。彼の名前はデリ・ボーイ。否、ギ・パド好みにデリ・小僧と呼ぼうかな。



このトランスポーターは人が移動するためのポーターで、小さいけれど中々のキャパシティー …雰囲気があって使い勝手も好いから予想以上に満足なのだ。荒天に出会っても即、停滞OKのキャンピング仕様でもある。

2010年10月11日月曜日

旅支度。

「時化が続けば凪も続く…」とは、尾無(おなし)の漁師モガーの言葉。我々パドラーも漁師と切り口は少し違うが、天候の予想をする。明日の朝、出るか…


行く当てはない。外海に出たら気分で北か南か西に向かうのだが…そこで少しだけ頭の片隅に置いておくのは荒天と時化に出会った時のことだけだ。引き揚げるときは楽なほうが好いからね。気儘なキャンプをしながら数日も漕げば、身体の凡てのリズムがうねりとシンクロする。海風が纏える頃には鼻歌まじりのパドリング…記憶の奥から小椋佳の「しじま」が流れ出る。 其の儘ずっと、何時までも何処までも漕いでいけそうな…

2010年10月10日日曜日

戯(あじゃら)。

ギ・パドラーズのギに掛ける想いはいろいろ…其の弐、戯けるの戯。


大好きなシーカヤックと云えども、何時間も座りっ放し漕ぎっ放しじゃなんだかなぁ。狭いコクピットに飽きたらちょいと海に浮いてみよう。浮きたくない人は沈んで…否々、潜ってみよう。PFDに身体を預けて脱力すると、気持ち好いのだコレが。片や、水中で美しい魚を堪能して海面に顔を出した途端に、

「写真写して…」

写した本人曰く、詰らんモノを写してしまった…って、いいじゃぁないの愉しいんだから。

2010年10月2日土曜日

消えゆく風景…遺したい想い。

城下町の掘割運河を漕ぐときに何時も見上げるお気に入りの空。いまはもう「…の空だった」と云うしかないが…



白壁越しに椰子がそびえ、青空に浮かぶexoticな風景が広がる。パドリング中のストレッチを兼ねてシーカヤックのデッキに仰け反るように空を仰ぐと、ゆらゆら揺れていいようもなくリラックス…大好きな何かを、またひとつなくした遣る瀬なさに心が滲む。

2010年9月26日日曜日

島風に吹かれて islander になりたいね。

島には、島の香りを乗せた島風が吹く。人が住む島ならなおさらに、生活や文化の色合いが混ざった少し濃いめの潮の香が漂うのだ。そんな時間を愉しみたくてパドルを漕ぐ。


島に渡ったらひょいとカヤックを降りて、にこやかに島内を散策するのが好い。人に会ったら会話を楽しみ、モノに会ったらよくよく眺め、旨いものは鼻で探す。歩き疲れたら、そこらに腰掛けて島風に吹かれる贅沢…近くの島なら一時間ほどだ。幾度か渡ったら islander になれるかな。

2010年9月23日木曜日

キャンプツーリングに寛ぎを持っていく。

朝早く海へ漕ぎ出して…昼ちかくまでパドリングを愉しみ空腹と程よい疲労感が訪れたら、何処かに上陸して旅のわが家を作るのだ。



キャンプツーリングに無くてはならない道具じゃないけれど、タープとコットがあれば…薄い布切れを頭上に張り地面のほんの少し上に横たう場所を拵えれば、其処はもう立派なわが家、ゆったりと寛げる空間となる。空腹を癒したら、旨い酒を片手に寝っ転がって雲をみるのが好きだ。

2010年8月28日土曜日

もっと遠くへ…子たちのステイタス。

この夏、皆がアツくなった海遊び…それは、防波堤からの飛び込み。老いも若きもとは大袈裟だが、親子や孫で水遊びの一番人気に決定だ。


ちょっと渋っていた小さな子たちも、いちど飛んでしまえば後は…なのだ。父(とう)も母(かあ)も祖父(じい)も祖母(ばあ)も、何度も飛んでいるうちに笑顔満面。「わたしも若い頃は…だったのよぅ。」とは祖母の弁。ともあれ、三代にわたる熱戦はくたくたになるまで続くのだ。

2010年8月15日日曜日

わたし的には三ツ星の、たまに寄りたい定食屋。

ツーリングカヤックの昼飯といえば、行動食か腰を据えてまったりとキャンプ食にするかだが、もうひとつ…たまに寄りたい定食屋という選択がある。


シーカヤックから降りて一分も歩けば、わたし的には三ツ星の定食屋に到着である。「波止場食堂」好い響きだね。定食屋の元従業員から聞いた「あの値段で満足(店主が…)がいく日替わり定食を作るのは大変だわなぁ。」というのも頷ける満足度なのだ。

2010年7月12日月曜日

ガラガラ曳いて海散歩へ。

ちょい乗り海散歩は、店から目と鼻の先にある奈古漁港のスロープから出艇する。漁師町の細い路地をガラガラ曳いて海へ向かう日課は、わたしたちにとって理想のパドリング環境なのだ。


シーカヤックを中心に置いたライフスタイルにはいろいろな思い入れがあるが、特にシーカヤックに似合う風景、風土、生活環境などは、自身で作り出せないからこそ大切にしたい精髄(エッセンス)だ。異国の遊び文化をこともなげに受け容れる日本的風土の奥深さを感じつつ、安寧な漁師町で日常を送ることはパドラー冥利に尽きるというものだろう。このスロープから少しずつ波紋が広がり、「 シーカヤックが似合う海だ 」と言われるようになればそんな幸せなことはない。

2010年7月1日木曜日

もうひとつの癒し…潮騒リラクセーション。

穏やかな海に接していると、心が落ち着き気持ちが癒されるのは何故かと考えてみる。それは、どうも…リズムに在るのでは、と思うのだ。


小ぢんまりとした砂利浜にできた天然の小さな石室を背にして、うねりの寄せる海を観る。うねりは波に変わり、波は潮騒を纏って砂利浜へ…潮騒は解き放たれたように足許から立ちのぼる。拡散した響きは石室の小さな空間にこだまして、収束した振動がわたしたちの身体を共鳴させる。穏やかな海が発するこのリズムは、ひとの心と体のバランスを支えているバイオリズムにシンクロするのだ。
海から生まれた命のDNAを保つわたしたちが、この空間で自らのリズムを持った言葉を発すると、本来のリズムを宿した言霊になってこだまする。誰が発した言葉も、あたりを癒す言霊となって皆の心に響くのだ。

2010年6月26日土曜日

雨にも負けずTwo-shot!!ではなく…DoubleShot.

「あぁ〜めぇ〜は降るふぅる〜… 」って、おかしいなぁ?わたしは好天男(はれおとこ)の筈ですが…まあ、いいか。


「Lite with Whisky」本日のメニューは、コースタルピクニックだ。雨にも負けず、風にも負けず、うねりにも負けず漕ぎ漕ぎですぞ。ロックガーデンも海蝕洞窟も小回りが利くタンデム艇なら大丈夫。 Double Shotはスターンをすぅーとドリフトさせて滑る滑る…行きたい方向へさっとバウを向けることができるので、此れはけっこう面白い。しかし、笑ってばかりはいられない。スキルアップを目指して、精進、精進。

2010年6月20日日曜日

お祓いの儀。

ギ・パドラーズのギに掛ける想いはいろいろ…其の壱、お祓いの儀。


パドリングに於ける一番の願いは、海況に恵まれて愉しい海時間を過ごすこと。でも自然相手の遊びですからそうとばかりはいきません。新しいカヤックは住吉大神(すみのえのおおかみ)のお祓いを受け、船玉(ふなだま)さまを宿したお守りをいただきます。シーマンシップの精神を尊び自己責任の覚悟で臨んでも、自分の力だけでは…しんどい時もありますからね。ギ・パドラーズで入手される凡てのカヤックには、そんな心の拠を添えてお渡しいたします。

2010年6月12日土曜日

Bat departure.

旧い相棒を担いでダウンリバーと洒落込む。雨の季節になると行かなくてはならないのだ…美しく澄んだ清らかな流れで、心と身体を清めにね。


ダウンリバーの楽しさはノリの良さにある。美しく延びる瀬頭のトップウェーブを見過ごすわけにはいかないし、湧き立つホールにご挨拶なしなどという失礼はいけません。沈のたびに顔を洗ってRe-try!!あまりに愉しみが過ぎると身も心も清くなりすぎて俗世に復帰できないからね。今日はここらで、そうそう…相棒の名は「Stunt Bat」だ。

2010年6月11日金曜日

Sea Kayakと海の風景に似合うTransporter.

使い勝手がよく雰囲気があり維持費なども…って、トランスポーターを決めるのは難しい。


ギ・パドラーズのトランスポーターを永年努めているのはVOLVO240Estateだ。いつまでも相棒でいてほしいが、最近は些か手間がかかるようにもなってきた。しかし、なんといっても雰囲気優先です。いまのところこれ以上のトランスポーターもなし、換える気もなし。

2010年6月3日木曜日

宴の始まり…キャンプの夜は、美味しいが一番。

Sea Kayakでのキャンプツーリングは、明け方に出艇して昼下がりにはテントサイトアップというのがギ・パドスタイル。早めに準備をすませて後はだらだら、否々ゆっくりと満たされた非日常の時間を持つことが醍醐味なのだ。


お愉しみは食べることに尽きるかも…で、鉄鍋が登場、鉄鍋料理は素朴でしみじみと旨いのです。旬の日本酒を片手に待つこと暫し。まずは鉄貼り餃子のでき上がりだ。皆から「おぉ〜」とため息がもれる。

「うめぇ〜や、これ!! 」

って、百円餃子ということは伏せておきますか…

2010年6月1日火曜日

ぷかぷかリラクセーションって、いいね。

コースタルピクニックでお気に入りの海あそび。それは、ぷかぷかリラクセーション。


穏やかなうねりにゆられて身体の力を抜くと「あ〜気持ちいい〜」なんてね、思ちゃうんです。30分もゆられていると、身体のなかのくたびれた電解質が塩の浸透圧で、海水にたっぷり含まれる新鮮な電解質と入れ替わるそうです。体全体でイオンサプライって訳ですがさて、これでわたしもパドラー美人?

2010年5月30日日曜日

お洒落にいきますか…GI Padd style, so let's begin.

「Lite with Whisky」って倶楽部ができました。北欧生まれの永く飽きないデザインのカヤックやウエアを持って、南日本海の美しい海に出没しますぞ。


「Lite with Whisky」はPOINT65°Nのカヤックに因んで命名したもの。決して酒飲み集団ではありません。お洒落なパドラーを目指して、精進、精進。